ウソの効用

この世の中でウソツキな人ほど、きらわれる人はありません。お友達にお客様でも、相手をよろこばせるためにウソをついたとします。相手方は逆に解され、あなたの誠意は伝わらずにしかも貴女自身は誤解されるという場合が多いようです。ウソは出来るだけつかないように注意すべきだと思います。
ところが何事にも例外というものがあって、真実をそのまま伝えるよりかえって、つくったウソの方がよい結果に終わる場合があります。貴女の周囲にも真実を言ってしまったばかりに、自分が馬鹿に見られたり、損をしたり、人に恨まれたり、怒られたり、ばた、時には人を傷つけるような事件を起こしたりで悩んでいる人が多いはずです。
このようなことは、時にはさわやかなウソは人に感謝をされるという事、つまり、よい意味でのウソの効用を知らなかったために起こった悲劇といえます。
ホステスという職業を通して、身近な例をあげて見ましょう。
常連のAさんが「どうだい、たまには、二人きりで温泉にでも行ってみないかね」と言ったとします。
その場合「失礼な、私そんな女じゃなくってよ」とぴしゃり正面から断ったらどうでしょう。Aさんは今までの楽しい雰囲気を一瞬ににして失ってしまうはずです。
そんな場合にはウソであっても「本当、嬉しいわ、いつかきっとお供させて」というような答え方が必要です。
「私にはそんな嬉しいこと、言って下さる方はじめて、ご返事に困るわ、でも今日はダメ、母が故郷から遊びに来てるの。私の都合の良い日をお知らせします」と言えば、これはあくまでも社交での“よい意味のウソ”という事になり、同じ断り方にしても相手方に失礼にはなりません。

もし貴女が結婚しているとしても、その事は言うべきではなく、「私の主人が働きがないから、私が働いている」とか「人妻に対してなんて失礼な」というようなこと、たとえそれが真実であってもお客様に伝えるのはどうかと思います。
「キミ、彼氏がいるんだろ?」と聞かれたら
「いたら働きませんわ」というような調子で受けます。
これがウソの効用で貴女の仕事における殺し文句にもなります。良い意味で“ウソの効用”を十分に利用することは、お客様を楽しませることになり、それがさらには貴女とお客様との人間関係をスムーズにさせることにもなります。

“あなたって悪い人ね”この言葉、女性が話した場合、お客様を喜ばせる、お色気のある言葉になります。
お客様を喜ばせたかったらチャンスをうかがって“あなたって悪い人ね”と言いながら横目でちらっとにらんで見ましょう。彼の左目、心臓のある側の目をにらむのです。貴女からそう言われてにらまれた彼の方はゾクゾクすること疑いなしでしょう。
“悪い人ね”という貴女の言葉は“好き、にくらしいほど好き”という相手を喜ばせる言葉として生きてくるのです。この言葉は彼を喜ばせるだけでなく、彼の心の中に貴女のイメージを強く植え付けるうえにも大変効果があります。なおひと息おいて、おおいかぶせるように、コビを含めて“だめよ”と文字どおりダメを押すと彼の心は完全に貴女のトリコになること間違いなしでしょう。

尊敬する言葉
・私は平常からあなたの男性らしい魅力に引かれております。
・私は社長様のお話をちょうだいするたびにそのお話の偉大さに感服しております。その人格には尊敬すらしております。
・友人に対しても同僚に対しても「貴女は立派よ、あんなことが堂々と出来るのですもの。素晴らしいことよ、尊敬するワ」

人に好感を与えることは、人気稼業のプロホステスの必要条件です。大いに尊敬するとい
う言葉を多く使用して誰にでも好感を与えて下さい。

 

 



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