本番客へのサービス(4)

自分をお客様に印象づける(第一印象)

「君ダンスが上手だね」「なかなかいい香りがするね」「今晩つきあわないか」とか言われた時に、これを逃がさないように「私〇子です。どうぞよろしく。初めてお会いしただけで…好きになってしまいそう…」と応酬してみる。すると「この子、なかなか面白いぞ」と好奇心をもつものです。お客様が声をかけてくれるチャンスを逃がさず、自分を印象づける事。

第一印象で好き嫌いを決められてしまう。第一印象がとても大切であるということは、今日初めてご来店下さったお客様も貴女の第一印象で「この店はこんなものか」と全てを判断なさいます。店を代表して本番につく貴女の責任は重大です。

美人であっても必ず好まれるとは限りません。何故でしょう。たとえばお化粧法による場合もあります。美人でも険があるように見られることは、最も注意すべきことです。顔の中で最も第一印象で注目されるのは、眉の間に縦じわを寄せた表情です。絶対にこれは嫌われます。第一に陰気です。第二にヒステリー持ちです。第三に険がある顔の表情なのです。不美人の部類に入る人が、顔に険を作ったりしては救われません。次には笑顔の表情です。皆さんはお化粧をするときには「ニッコリ」の練習をする事を忘れてはいけません。この可愛い笑顔をより良く見せるための髪型、お化粧も研究されるとなお良いでしょう。第一印象を自分で演出して下さい。

 

特に初めて来店下さった本番のお客様にはいかに第一印象が大切であるかという事が解っていただけたでしょうか。初めてのお客様についたとき、最初の3分間がうまくいけばホステスにとってあとは楽な展開になる場合が多いのです。

今夜はどんなお客様にぶつかるか、貴女は期待と不安をもって待機するでしょう。金持ちで、ハンサムで、遊び上手なお客にめぐりあえるかも知れない。ケチでみっともなくて横柄な客に出会うかも知れない。

初対面は運、不運の分かれ目である。そして運悪くつまらない客をつかんだ場合も、ホステスはその一瞬のさばきいかんで不運を幸運にかえる事が出来るのです。

なじみのホステスがいない店に入るとき、お客様の方だってさてどんな娘にぶつかるか、という期待と不安を抱いている。高いお金を払うのだから、なるべく上等のホステスに来てもらいたい。お客様にとっても初対面の一瞬は運、不運の分かれ目である。「ようこそ、ご来店ありがとうございます。初めまして本番の〇子です」席についたホステスを見て、“やれやれ”“まあまあ”と安心したり“チェッ”と声にもならぬ悲鳴をあげたりするのである。ホステスの方も「まあ、カッコイイ男」といそいそしたり、「ナァーンだ。ハゲか」とがっかりしたりしている。このあたり双方、お見合いの心境なのである。お客とホステスというよりも、男と女として相手を品定めする。他の商売と絶対的に違うのがここである。

 

 




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